最後のメール

今日、典子から最後のメールが来た。

それは自分にとって意外なものだった。二度と連絡は取れないと思っていた。
しかし、典子の心の片隅に自分の存在が残ってくれていた事が何より嬉しかった

内容そのものより、典子が自分に伝えたかった事をずっと考えていた。


光太郎のこと、自分の事、短い文章の中に埋もれていただろう言葉が
たくさんあるように思う。


無理に「思い出」として片づけようとしているのかもしれない。

それはそれで典子の今の生活の中で大切な事だと思う。

しかし、自分の中では「思い出」ではなく、いつも進行形なのだ。
たとえ逢えなくてもいい。
「いつか」を信じていたい。

一時の恋ではなく、恒久的な愛を典子には感じたから。


たとえ一人で一生苦しんでもいい。


それが自分の愛の形だと信じている。